写真集 成田国際空港 小関与四郎 NARITA INTERNATIONAL AIRPORT Koseki Yoshiro
小関与四郎は1935年千葉県生まれ。自転車店に6年間の奉公の後、1967年に写真店を開き、経営をしながら写真を撮り続けている。1972年に写真集『九十九里浜 海に生きる人々』、1986年には地元の海に漂流した鯨や鯨の解体を撮った『クジラ解体』を上梓するなど彼のライフワークは一貫して千葉県内の生活風土をテーマに活動している。小関氏が本書を世に送り出した理由は問題提起を目的としたものではなく、ただ素直な気持ちで成田国際空港完成の過程を写真によってまとめたかったと記している。その言葉通り本書は公団側と反対派側双方の視点で捉えられており非常に中立的な内容である。かつて御料牧場(※7)があった頃の馬と人とが触れ合う牧歌的な風景、農民たちの厳しい表情や機動隊との衝突、第一工期を終えた成田国際空港、闘争中に火炎びんを浴び病院で治療中の機動隊員など、第三者として事実の記録に徹した仕事ぶりが非常に印象的である。「ごく自然な成り行きで、ありのままの姿を正面から見据えて記録する」彼の写真に対する哲学が分かる。グラビア印刷による美しい図版も書籍として評価できる。
目次
三里塚のこと
写真図版
富里へ
御料牧場
三里塚闘争
開港へ
欧文解説
出版社 publisher:木耳社/Mokujisha
刊行年 year:1982
ページ数 pages:248
サイズ size:H311×W221mm
フォーマット format:ハードカバー/hardcover
言語 language:和文/部分的に英文-Japanese/English in some parts
付属品 attachment:函、帯/slip case wraparound band.
状態 condition:帯少傷み。/slightly damaged on the band.