壁の向こう側 マグナムの撮った東欧・ソ連 1945-1990

1945年5月8日。赤軍がドイツ国会議事堂の上に勝利の旗を高く掲げる。ナチズムの終焉、共産圏の誕生。そして1989年11月9日。再びベルリン。自由を渇望する民衆の力で壁は崩れた。
この二つの日付に挟まれて・・・繰り返される脱出、ブダペストの蜂起、ベルリンの壁の出現、プラハの春、グダニスクの連帯、ゴルバチョフとペレストロイカ、ビリニュスあるいはトビリシの叛乱、「ビロード革命」、チャウシェスクの没落、壁に走る亀裂・・・.。
1945年以来、マグナムのカメラマンたちは、世界のいたるところで、余すことなく大事件を撮り続けた。時には自らの意の向くまま、時には写真雑誌に囲まれ、とりわけ東欧を、休むことなく駆けずり回った。好奇心から、あるいは現場の証言者たろうとして、あるいは、とにかく隔絶状態を破ろうとして。
1947年マグナム創設時から、このような参加(アンガージュマン)とこの自由の精神とが彼らの写真に独自な力を与えている。ロバート・キャパ、ウェルナー・ビショフ、アンリ・カルチエ=ブレッソン、エルンスト・ハース、そしてルネ・ブリ、エリオット・アーウィット、エゼフ・クーデルカ、マルク・リブー、ブルーノ・バルベイ、レイモン・ドバルドン、イアン・ベリー、セバスチャン・サルガド、クリス・スティール=パーキンズ、レナード・フリード、ゲオルギー・ピンハーソフ・・・マグナムの45人の写真家たちが希望と混乱の市松模様に彩られた世界の運命を、あらためてここに再記する。
このフォト・ストーリーの谺として、突如動き始めた歴史のただ中にいた人々の声を聞くことが最も重要であった。東側に新しく生まれた自由の報道機関から、アダム・ミフニクをはじめとする7人の編集者が、自らの国の激動に反応し、伝えるのである。
この写真集は第2次大戦も、マルクス主義とその希望のことも、あるいはコルホーズも戦車も知らない世代のために編纂された。(本文より)

日本語版編集=西井一夫
日本語版デザイン=佐藤伸一

出版社 publisher:毎日新聞社/Mainichi Shimbun sha
刊行年 year:1992
ページ数 pages:262
サイズ size:H308×W247mm
フォーマット format:ソフトカバー/softcover
言語 language:和文/Japanese
付属品 attachment:カバー、帯/dust jacket,wraparound band
状態 condition:経年並みです。/good.
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