写真の保存・展示・修復 日本写真学会画像保存研究会 編

目次

まえがき
第1章 写真家と作品
 1 はじめに
 2 写真家を夢みて
 3 「ポーディちゃん」のアウラ
 4 「乞食の母子」(Photo 2)
 5 写真家としての出発
 6 1950年代のカラーよ、うらめし、すべて消滅す
 7 写真の展示について
 8 「写大ギャラリー」開設と写真の保存と展示
 9 おわりに
第2章 写真表現の発達と保存
 1 写真術の発明
 2 写真と絵画
 3 芸術写真の台頭
 4 近代写真の夜明
 5 写真技術の進歩と写真表現の展開
 6 写真科学とリアルフォト
 7 写真とグラフジャーナリズム
 8 戦争と写真
 9 カラー写真の出現
 10 写真美術館と写真保存
 11 日本の歴史写真と保存
 12 日本の写真美術館・博物館と保存活動
第3章 19世紀の写真
 1 19世紀の写真とその特長
 2 写真を生んだ技術の背景
 3 19世紀写真印画の方式
  3-1 銀により画像を形成する印画
  3-2 顔料により画像を形成する印画
  3-3 白金により画像を形成する印画
  3-4 鉄塩により画像を形成する印画
第4章 写真感光材料と現像処理
 1 写真感光材料とその感光性
  1-1 黒白感光材料の構造
  1-2 カラー感光材料の構造
  1-3 感光性と感色性
  1-4 感光材料の取り扱いと保存
 2 現像処理とその原理
  2-1 黒白現像処理とその工程
  2-2 写真保存をめざした黒白現像処理
  2-3 発色現像法とカラー現像処理の工程
  2-4 写真保存をめざしたカラー現像処理
 3 感光材料の特性と感度
  3-1 特性曲線
  3-2 コントラスト
  3-3 写真感度
  3-4 カラー感光材料のカラーバランス
第5章 写真画像劣化の状態とその要因
 1 写真画像劣化の種類、要因、劣化の場所
 2 黒白銀画像(Ag・ゼラチンタイプ)における劣化
  2-1 画像銀の劣化
   2-1-1 硫化
   2-1-2 酸化
   2-1-3 かび
   2-1-4 バインダーの劣化
   2-1-5 フィルム支持体の劣化
   2-1-6 紙支持体の劣化
   2-1-7 ガラス
 3 19世紀の写真の劣化
  3-1 ダゲレオタイプ(銀板写真)
  3-2 湿板コロジオン
  3-3 塩化銀(ソルテッドペーパー)プリント
  3-4 鶏卵紙(アルビュメン)プリント
 4 カラー写真画像の劣化とその要因
  4-1 はじめに
  4-2 発色色素の退色およびステイン
   4-2-1 イエロー発色色素の退色
   4-2-2 マゼンタ発色色素の退色
   4-2-3 シアン発色色素の退色
   4-2-4 ステイン
  4-3 現像処理と変退色
  4-4 画像保存性の改良
  4-5 その他のコンベンショナルカラー写真画像の劣化と安定性に関する論文
  4-6 アンコンベンショナルカラー写真
   4-6-1 シルバーダイブリーチ(SDB)
   4-6-2 インスタントカラー写真
  4-7 カビ、微生物の影響
 5 磁気材料の劣化とその要因
  5-1 磁気材料の構成材料 昔と今
   5-1-1 磁気記録メディアの歴史
   5-1-2 テープの構成材料
   5-1-3 テープの劣化現象
   5-1-4 磁気記録テープの陳腐化
 6 光記録ディスク材料の劣化と要因
  6-1 光記録ディスク材料の劣化と要因
   6-1-1 光記録ディスクの歴史
   6-1-2 光記録ディスクの構造と原理
   6-1-3 光記録ディスクの構成材料
   6-1-4 光記録ディスクの劣化の可能性
第6章 写真画像保存性の試験方法と評価[1]
 1 写真画像保存形態の分類
 2 暗所保存性の試験と評価
  2-1 強制熱劣化試験による評価
  2-2 アレニウス法を用いた評価
  2-3 コンピュータシミュレーション評価法
 3 明所保存性の試験と評価
  3-1 光エネルギー量の推定方法
  3-2 太陽光劣化試験とXe光劣化試験との対応
  3-3 光源分光分布の重要性
 4 写真画像保存性寿命の絶対評価法
 5 色彩学的取扱いによる画像保存性の評価
  5-1 カラー写真と画像保存の問題点
  5-2 カラー写真画像の保存性とその評価項目
  5-3 色濃度に基ずく変退色の表示とその問題点
  5-4 色彩学に基礎を置く画像保存性の評価
   5-4-1 変退色の評価に必要な表色系の選択
   5-4-2 CIELAB色空間と色差表示
   5-4-3 CIELABの色差表示による変退色評価の実際
  5-5 将来への展望
第7章 写真画像保存性の試験方法と評価[2]
 1 写真画像保存性の要因の試験方法
  1-1 残留処理薬品量の試験方法
   1-1-1 残留処理薬品と画像保存性
   1-1-2 残留チオ硫酸塩量の試験方法
   1-1-3 残留銀化合物の定量法
 2 物理的性質の試験方法
  2-1 脆さ
  2-2 折れ曲げ強さ
  2-3 寸法安定性
  2-4 引っ掻き強さ
  2-5 伸びと引っ張り強さ、破断エネルギー
  2-6 カール
  2-7 画像膜と支持帯との接着性
  2-8 ブロッキング特性(写真同士の接着性)
  2-9 画像膜の物理的安定性(乳剤膜流れ試験)
  2-10 滑りやすさ(プリンターや映写機の通過しやすさ)
 3 写真保存用包材の試験方法
  3-1 写真活性度試験方法
  3-2 アルカリ保持量試験方法
第8章 写真保存の対策と実際
 1 写真保存の基本的考え方 環境整備
 2 美術館等における写真保存 その意義と実践
  2-1 美術館等における写真コレクションの意味
  2-2 文化的価値の保存
  2-3 写真保存と公開の場としての美術館 どのような機能が要求されるか
   2-3-1 収蔵スペース
   2-3-2 資料作品整備、補修スペース
   2-3-3 文献的研究スペース
   2-3-4 資料、作品データ蓄積、索引スペース
   2-3-5 展示公開スペース
 3 フィルムセンターにおけるフィルム保存の実際
  3-1 フィルムセンター相模原分館 (フィルム保存所)の概要
  3-2 保存庫の概要
  3-3 研究棟におけるフィルムの調査・検査
  3-4 フィルム保存の諸々の問題
 4 写真の適切な保存・保管の方法
  4-1 保存温度
  4-2 環境整備のための設備と包材料およびその使い方
   4-2-1 保存庫(倉庫)の場合
   4-2-2 保存室の場合
   4-2-3 保存用キャビネットによる保管
   4-2-4 湿度調整剤や乾燥剤の利用
   4-2-5 密封包材による保存
  4-3 災害防止への考慮
  4-4 保管区分の考え方
  4-5 保管資料の劣化の監視
   4-5-1 セルロースアセテートフィルムの検査
   4-5-2 その他の保管資料の検査
  4-6 異常時の対策
   4-6-1 臭気の認められたもの
   4-6-2 劣化の大きいもの
 5 劣化フィルムの修復
 6 写真画像の堅牢化処理
 7 磁気材料の保存方法
  7-1 磁気材料の保存の考え方
  7-2 保存の実際
   7-2-1 保存環境
   7-2-2 装置の整備
   7-2-3 磁気材料の整備
   7-2-4 保存室、保存箱、その他の包材など
   7-2-5 その他の注意
 8 光ディスクの保存方法
 9 長期写真保存方法の具体策
  9-1 日本における写真の暗保存温湿度環境
  9-2 具体的推奨保存庫の特徴
  9-3 推奨保存庫内写真の保存性能良化効果
第9章 写真の展示と画像保護
 1 写真の観察照明
 2 写真観察用照明に関する規格
 3 ギャラリー等における照明の実例
  3-1 博物館および文書館
  3-2 商業ギャラリー
 4 写真展示条件を決めるには
  4-1 照明レベル
  4-2 照明の色
  4-3 照明レベルに関する推奨値
  4-4 19世紀写真印画の場合
第10章 写真の修復とその実際
 1 はじめに
 2 保存・修復の基本理念
 3 修復作業の流れ
 4 検査と取扱い
  4-1 検査・分類とその記録
  4-2 写真の種類の判別
  4-3 写真の取扱い方法
  4-4 補助支持体の使用
  4-5 複写
 5 クリーニング
  5-1 クリーニングに用いられる材料
  5-2 紙の支持体
  5-3 ガラスとプラスチックの支持体
  5-4 金属支持体
  5-5 菌類(カビ)の除去
  5-6 刷毛の手入れ
 6 保護処理および保存準備
  6-1 使用する材料
  6-2 硫酸セルロースフィルム
  6-3 酢酸セルロースフィルム
  6-4 破損したガラス支持体
  6-5 亀裂の入ったガラス支持体
  6-6 剥離した画像膜
  6-7 溶解した材料
  6-8 ランタンスライド(ガラス支持体)
  6-9 ケース入り写真(金属、ガラス支持体)
  6-10 台紙に貼ったプリント
  6-11 脆いプリント(台紙なし)
  6-12 破れたプリント
  6-13 湾曲したプリント
  6-14 アルバム
  6-15 ピグメント(顔料)による写真プリント
 7 写真の保存と収納方法
  7-1 ISOの規格
  7-2 マッティング方法
  7-3 保存用包材
  7-4 保存用収納箱
  7-5 写真の種類別の収納方法
 8 写真画像種類による最適保存条件
第11章 写真の複写と複製
 1 はじめに
 2 複写と複製とは
  2-1 複写と複製の意味
  2-2 複写と複製の限界および著作権等の問題
 3 使用される基本的な機材
  3-1 カメラおよびレンズ
  3-2 その他の機材
  3-3 撮影用光源
  3-4 フィルムの選択
 4 複写技術
  4-1 資料の準備と保持
  4-2 ライティングと露出
  4-3 黒白フィルムによる複写
  4-4 黒白の現像およびプリント処理
  4-5 複写による画像の修復
  4-6 カラーフィルムによる複写
 5 複製(デュープリケート)の作製
  5-1 白黒ネガのデュープリケート
  5-2 カラーフィルムのデュープリケート
 6 コンピュータによる処理
  6-1 電子画像処理による画像の修復
  6-2 複写した写真のデーターベース化
第12章 フルカラーハードコピー画像の堅牢性
 1 はじめに
 2 銀塩プロセス利用フルカラーコピー画像の堅牢性
  2-1 コニカラー7方式
  2-2 ピクトロカラー方式
 3 フルカラー電子写真複写機によるコピー画像の堅牢性
 4 サイカラープロセスによるフルカラー画像の堅牢性
  4-1 サイカラープロセス
  4-2 サイカラープロセス画像の堅牢性の評価
 5 昇華型熱転写フルカラープリンタによるプリント画像の堅牢性
 6 インクジェットフルカラープリンタ画像の堅牢性
第13章 写真画像保存に関する規格
 1 はじめに
 2 写真保存規格の歴史
 3 写真保存規格の体系
 4 主な写真保存規格
  4-1 安全写真フィルム規格
  4-2 写真保存方法の規格
   4-2-1 写真フィルムの保存方法
   4-2-2 写真印画紙の保存方法
   4-2-3 写真乾板の保存方法
  4-3 感光材料と現像の仕様規格群
  4-4 写真保存用包仕様
  4-5 試験方法の規格
   4-5-1 残留処理薬品の試験方法
   4-5-2 色素・ゼラチン画像の安定度試験方法
   4-5-3 物理的特性試験方法
第14章 写真画像保存・修復に関する参考図書・文献
 1 写真の保存に関するマニュアルについて
 2 Journal of Imaging Technology
 3 Journal of Imaging Science and Technology
 3' SPSE's Third Int. Symposium on Image Conservation
 4 Journal of the American Institute for Conservation
 5 Topics in Photographic Preservation, Vol.4, 1991 Vol.5, 1993
 6 その他の外国の学会誌
 7 日本写真学会誌(1980~1992)
 8 日本写真芸術学会誌
 9 その他
索引
著者略歴
関係資料広告

出版社 publisher:武蔵野クリエイト
刊行年 year:1996
ページ数 pages:200
サイズ size:H257×W183mm
フォーマット format:ソフトカバー/softcover
言語 language:和文/Japanese
付属品 attachment:カバー
状態 condition:良好です。/very good.
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