"Raster" は河野幸人が日本での旅の際に撮影した、パーソナルなポートレートの反復から成る実験的な作品集。
河野幸人は1989年金沢市生まれ、ロンドンに留学後は金沢を拠点に活動している。彼はこれまで空間的なギャラリースペースよりも、より平面的で閉塞的でありながら、鑑賞者との間により直接的な対話と体験をもたらす「本」というフォーマットでの制作、発表を多く行なっている。近年の実験的な作品群はものの儚さと永続性の消失点、言い換えるならば写真を通した物事の現在性の追求をテーマに制作されている。
写真の魂は何処に宿るのか?その中には何かが存在するのか?それとも何かが欠けているのか?多くの先駆者達が答えを求めたように、しかしながらよりシンプルかつミニマルな方法で、年期の入ったコピー機によって印刷された不鮮明なイメージの反復は私たちが普段無意識に行なっているイメージの認識や、”Photography”という概念への問いを投げかける。そして同時に、一部一部時間をかけて印刷し綴じていく行為はまさに、過去の記憶や体験といった不確かなものを写真や本という目に見える形で留めておこうとする極めて純粋且つ根源的な人の営みであり、無機質で不鮮明な白黒のイメージとのコントラストが不可思議な効果を生み出している。
Photo-eye主催のBest photo book 2014、Ruth van Beekが選ぶ写真集。
CUATRO CUERPOSが選ぶNotable books of 2014の一冊。
発行部数50部ナンバー入り/Unique Edition of 50, signed and numbered
出版社 publlisher:Self Published
刊行年 year:2014
ページ数 pages:141
サイズ size:H420×W297mm
フォーマット format:ソフトカバー/softcover
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付属品 attachment:
状態 condition:良好です。サインあり。/very good, signed