中国の内陸部に位置する陜西省。さらに陜西省の北部にあたる旬邑県のとある村に住んでいた女性、庫淑蘭(1920-2007)の「剪花」と呼ばれる切絵を纏めた作品集です。この地方では農業の合間に女性たちの手で剪紙を作るという伝統があります。庫淑蘭は村で開かれる剪紙の教室が終わると机の上や床に散らかった切りくずをかきあつめ、それを持ち帰りそれを素材にして台紙に貼って製作をしたそうです。彼女はお金がなく糊を買う事ができなかったので米を糊の代わりにして製作を続けました。1988年に漢聲の編集者たちは初めて庫淑蘭を訪れ取材をしました。本書は彼女の剪花の技法などを分析。また人物や動物、植物などカテゴリー別にした図版、彼女の暮らした村や家の写真など、豊富な資料が多数収録されています。中国のアウトサイダーアートとして位置づけることも可能な一冊。
<漢聲雑誌とは>
漢聲雑誌は「中華の」「伝統の」「生きた」「民間の」文化を、調査し整理して、1冊あるいは1セットの本にすることをテーマに文化大革命が進行中の1970年代にスタートした出版社です。主宰者のひとり黄永松が「いま自分たちがやらなかったら、間に合わない」という緊迫した気持ち、今この瞬間にも中国・漢人の伝統文化が消失していっている、という危機感が設立のきっかけとなっています。非常に凝ったつくりのデザインには、明確な原則があります。
1.必ず内容から出発すること。
2.図と文は同じくらい美しくあること。
3.古いものであっても新しさを持たせるということ。
これら妥協のない精神のもとに生まれた秀逸な本の数々は、読者を魅了せずにはいられません。
Shaanxi province is located in inland China. Furthermore, this is a collection of paper-cutting works called "Cut flowers" by Ku Shu Lan(1920-2007), a woman who lived in a certain village in Shunyi County in the northern part of Shaanxi Province. In this region, women have a tradition of making paper cutting by hand during breaks from farming. After attending a paper-cutting class held in the village, Ku Shu Lan would gather up the scraps scattered on her desk and floor, take them home, and use them as material to make paper mounts. She didn't have money and couldn't buy glue, so she used rice instead of glue and continued making. In 1988, HANSHENG's editors visited Ku Shu Lan for the first time and interviewed her. This book analyzes her flower pruning techniques. It also contains a wealth of materials, including illustrations organized by category such as people, animals, and plants, as well as photographs of the village and house where she lived. A book that can be positioned as Chinese outsider art.
出版社 publisher:漢聲雑誌社/HANSHENG
刊行年 year:1997
ページ数 pages:148+156
サイズ size:H305×W248mm
フォーマット format:ソフトカバー/softcover
言語 language:中文/Chinese
付属品 attachment:函/slip case
状態 condition:経年並みです。/good.