閾から閾へ パウル・ツェラン 飯吉光夫 訳 Von Schwelle zu Schwelle Paul Celan

ドイツ系詩人パウル・ツェラン(1920-1970)の第二詩集『閾から閾へ』(1955年)の全訳。

薔薇七つ分だけ遅れて
 ぼくは聞いた
 最期の朱に染って
 閃光
 一緒に
 斧をもてあそびながら
 重い石
 一粒の砂
 髪房
 海の中から
 ふたつの像
 遥かな者同士
 氷の張っている場所
 暗闇から暗闇へ
 猪の姿で
 ブルターニュの浜辺
 いいことだ
 二人して
 客
入れかわる鍵で
 フランソワのための墓碑銘
 目の上に挿木される
 ぼくらの<刻>を数えていた者が
 アッシジ
 今宵も
 蠟燭の前で
 入れかわる鍵で
 ここ
 静物
 そして美しい髪
 森におおわれた
 言葉たちの宵
 斜面
 ぼくは知っている
 畑
 追憶
島の方へ
 夜ごとゆがむ
 時代の目
 翼をもった夜
 どの石を起こしても
 ポール・エリュアール追悼
 合言葉
 ぼくらはおまえを見る
 碑
 きみも語れ
 時に熟れて赤くなった唇で
 根拠と沈黙
 葡萄摘み人
 島の方へ
訳者あとがき

出版社 publisher:思潮社
刊行年 year:1990
ページ数 pages:128
サイズ size:A5
フォーマット format:ハードカバー/hardcover
言語 language:和文/Japanese
付属品 attachment:カバー/dust jacket.
状態 condition: カバー少傷み。/slightly damaged on the dust jacket.
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