Masato Seto: Cesium Cs137 *signed
セシウム 瀬戸正人 写真集 *署名本
写真家・瀬戸正人が原発事故の1年後に福島第一原子力発電所の敷地内を訪れる過程で、福島の山や川などの自然を撮影した写真集。
あの日、35kgのセシウムが地球上に放出され、そのほとんどが福島県北部に降り注いだ。
チェルノブイリの半分の量だという。
その原発事故から1年後の2012年2月、僕は福島第一原子力発電所の敷地内に入る機会を得た。
フランスの環境大臣が敷地内を視察訪問するとのことで、
フランスの通信社の依頼で写真を撮ることになったのだ。
早朝6時に南麻布にあるフランス大使館に集合し、大臣以下大使館員や記者など、
総勢20名ほどが大型バスに乗り込み海沿いを北上したのだった。
よく晴れた暖かい日だった。
向こう30年、関係者以外は立ち入ることのできない丘に立った。
白いタイベックスーツに身を包み、防毒マスクをすっぽりかぶった僕らは誰もが無言で、
眼下に並ぶ破壊されたままの1号炉から4号炉の原子炉建屋を眺めていた。
すぐそこの波打ち際から水平線の彼方まで、雲ひとつない広い空と太平洋の大海原は、
何も知らないとでも言うように青々としていた。
防毒マスクのガラスを通して見る福島の海、目に見えぬ恐怖......
それは美しいと言えばこの上なく美しい光景だ。
この時、僕は目に見えないこの恐怖を写真に写そうと思い、
福島の山林や河川、田畑など自然の中に分け入ったのだった。
そこかしこにへばり付いているであろうセシウム、あるいは恐怖なるモノ、
僕はそれを写真として可視化したいとの試みで撮り始めたが、
見てはならぬモノを見てしまった気がする。(本文より)
限定400:/Limited edition of 400 copies
デザイン:但馬園子
制作協力:ハワード・ワイツマン、石井保子
編集:梅村隆之
プリンティング・ディレクション:指田秀明
印刷・製本:光陽社
出版社 publisher:Place M
刊行年 year:2013
ページ数 pages:
サイズ size:H263×W370mm
フォーマット format:ハードカバー/hardcover
言語 language:和文/英文-Japanese/English
付属品 attachment:
状態 condition:サインあり。特に問題なく良好です。/signed, very good.