イギリスのブリストル出身の写真家スティーヴン・ギルの写真集。本書制作の発端は2010年の夏に、ルクセンブルグのCNA(CENTRE NATIONAL DE L'AUDIOVISUEL)から、ルクセンブルグ・デュードランジュにあるもはや荒廃した、工業用地の貯水池などの製鋼業の残骸が残る場所に興味があるか、尋ねられた時にまで遡る。
彼はそれからデュードランジュの池を訪れ、池の中の模様や変化と人間の社会生活の類似点を基に、彼独特のカメラを用いた社会との関わり方でデュードランジュの人々を巻き込みながら作品制作を開始した。本書に収められている作品はルクセンブルグ大学の協力によって得られた医療用顕微鏡を使用したケイソウや微生物、植物などの写真群。それに加えて、池の水をバケツに汲んでその中にカメラを浸した後に、デュードランジュの住民のポートレイトを撮影した作品で構成されている。製鋼業として繁栄したこの街の史実と時間の集積をカメラという媒介を通して一体化し、可視化した彼のアイディアが作品にも造本にも生かされた一冊。当時表紙のデザインは6種類で各250部で出版された。
限定1500部/Limited edition of 1500
出版社 publisher:Nobody
刊行年 year:2012
ページ数 pages:152(90 plates)
サイズ size:H286×W220mm
フォーマット format:ハードカバー/hardcover
言語 language:英文/English
付属品 attachment:サイン入りポストカード一葉/signed post card by Stephen Gill
状態 condition:特に問題なく良好です。/very good