本州最北端の青森県出身の写真家・小島一郎(1924-1964)は昭和30年代の約10年間、写真を撮り続け、39歳という若さでこの世を去った。残された写真の多くは、故郷・青森をテーマにしており、彼が生前に発表した写真集は1963年に新潮社から出版された『津軽』のみ、この本は小島一郎を語る上では外す事の出来ない代表作として世に知られている。しかし彼の死後は、その訃報が突然だったこともあり、10年以上は写真界から忘れられた存在だったという。再評価の機運が高まった1970年代に、写真家・大島洋が小島に関するエッセイを発表し、80年代には雑誌「PHOTO JAPON」で特集が組まれ、1998年には故郷青森で初の回顧展開催、2004年のヒステリックグラマーから出版された写真集『
hysteric Eleven 小島一郎』、そして2009年の青森県立美術館での個展を経て、彼が生涯をかけて残した仕事は、現代の感性と上手くマッチしたのである。
本書『津軽』の写真は小島一郎、文章と詩を担当したのは同郷の小説家・石坂洋次郎(1900-1986)と方言詩人・高木恭造(1903-1987)。函にあしらわれたイラストは版画家・関野準一郎(1914-1988)の手によるもの。
写真:小島一郎
文:石坂洋次郎
方言詩:高木恭造
グラビア印刷:凸版印刷
活版印刷:二光印刷
製本所・神田:加藤製本所
出版社 publisher:新潮社/Shinchosha
刊行年 year:1963
ページ数 pages:81
サイズ size:H288×W213mm
フォーマット format:ソフトカバー/softcover
言語 language:和文/Japanese
付属品 attachment:函、帯、カバー/slip case, wraparound band, dust jacket.
状態 condition:函、帯少傷み。/slightly damaged on the slip case and wraparound band.