第14巻は1970年に開催された大阪万博の写真で構成。当時電通にいる人は万博に行かなければならなかったらしく、荒木は会社の研修所の食堂でアルバイトをしていた女性を誘って万博に行った。会場の前での写真、その後のホテルの部屋での様子など包み隠さない日常のシーンを伝える写真は、後の『センチメンタルな旅』への萌芽を感じさせる。
出演:愛知県愛知郡長久手村大字岩作字色金36の1嶋屋荘 与語義一方 大久保明子
スタッフ:荒木和雄、八重幡浩司、吉川潤、青木陽子
限定70部:Limited Edition of 70 copies
<ゼロックス写真帖とは>
アラーキーこと荒木経惟の実質的デビュー作。正式には『荒木経惟写真帖』だが、当時彼が勤めていた電通社内のゼロックスのコピー機を借用して製作されたことから単に『ゼロックス写真帖』とも呼ばれている。全25巻の予定だったが、内3巻は未刊、加えて番外篇を含めた23巻(+付録2点)が現存している。早く撮って早く出したいという荒木の意向で、造本は黒い紙の表紙に赤糸の和綴じの手作り製本で統一し、仕上がったらすぐに色々な人に勝手に送りつけていたらしい。しかし内容はそれぞれ判型や量が異なり、かなりのバリエーションがある。各号限定70部の私家版として刊行。製作スタッフに名を連ねる荒木和雄は実弟、青木陽子は後の妻・荒木陽子(1947-1990)である。主に陽子がコピーをし、和綴じ作業を和雄が手がけていたそうである。
ゼロックス写真帖全シリーズ一覧
1:
顔70
2:
矢口栄三郎
3:カルメン・マリーの真相 *3月18日発刊予定。のちに未刊。
4:
都はるみ(仮名)予告編
5:
アダム & イヴ
6:
すてきな新婚旅行
7:
東京はエロス
8:
これが写真展だ
9:
7時から7時7分までのパトラ
10:
夏休み *付録:デロン君ガンバル
11:
内藤正敏見世物看板写真展<女ターザン三人娘>
12:
残暑お見舞 キッチンラーメン展 2
13:
風景
14:
続・風景
15:
万博
16:
すなっくDOMONEってドコドコドコ?
17:
あー日本 改め おー日本
18:サマーバカンス神津島 *モデル嬢結婚のため中止
19:
詩集
20:
恋文帖
21:
散歩の時間
22:
西熱海ブルース *付録:
便所用愛のカレンダー
23:歌手たち *印画紙4811枚シリーズに変更
24:
日本人70
25:
夢のマイホーム
番外篇:
荒木長太郎二代目襲名披露
出版社 publisher:Self Published
刊行年 year:1970
ページ数 pages:
サイズ size:H257×W183 mm
フォーマット format:和綴じ/Japanese binding.
言語 language:
付属品 attachment:
状態 condition: