末井昭を編集長に創刊された写真雑誌『写真時代』の兄弟誌として創刊された『写真時代21』の第四号。編集長は『写真時代』に風景写真のシリーズを連載していた浜田蜂朗(1941-1996)。彼は中平卓馬(1938-2015)とともに反体制的な評論誌『現代の眼』の編集部員だった。その後風土社に入社し、『デザイン批評』の編集も担当している。『写真時代21』では、『写真時代』の知的な「ことば」の部分をより強化した「高級映像文化誌」を標榜していた。当時話題を集めていた浅田彰や中沢新一らをはじめとするニュー・アカデミズムの面々と『写真時代』の常連執筆者を結びつけ「映像的シーンを主題にして、毎号一貫した無茶苦茶な紙面づくり」を目指したが、部数は伸びなかった。結局四冊刊行されたところで休刊となった。
"SUPER PHOTO MAGAZINE 21" was launched as a sibling magazine of the photo magazine "SUPER PHOTO MAGAZINE" which was originally published by Akira Suei. The editor-in-chief was Hachiro Hamada (1941-1996), who serialized a series of landscape photographs in "SUPER PHOTO MAGAZINE" He, along with Takuma Nakahira (1938-2015), was an editorial member of the dissident criticism magazine."Gendainome". After that, he joined Fudosha and is also in charge of editing "THE DESIGN REVIEW". In "SUPER PHOTO MAGAZINE 21", I advocated "a high-class image culture magazine" that further strengthened the intellectual "words" of "SUPER PHOTO MAGAZINE". By linking New Acadenism by Akira Asada and Shinichi Nakazawa, who had been attracting attention at the time, with the regular authors of the "SUPER PHOTO MAGAZINE", "SUPER PHOTO MAGAZINE 21" was consistently messed up with the visual scene. The magazines tried to make it, but the number of copies did not grow. After all, it was suspended when four books were published.
目次
小林信彦・糸井重里 流行はやりと不易げんそく 極私的テレビ・グラフィティー
細野晴臣の観光世界 絵・レイアウト=奥村靫正
細野晴臣観光世界 ORIENTATION OF SIGHTSEEING 荒俣宏+後藤繁雄
翁の音楽 風の行方 鎌田東二
紫への旅 井村宏次
RGBの共通領域 野々村文宏
ブラッサイ、ブラント追悼 パリの夜の闇の底に消えたブラッサイ 桑原甲子雄
ブラントの光の声、闇の響き 荒木経惟・伊藤俊治・石内都・石原悦郎・金子隆一・平木収
宗教の応用問題
宗教ブームの表層と深層 栗本慎一郎
半宗教論 中沢新一
霊球論序説 渡部直己
千年王国運動 呉智英
怪優三國連太郎と親鸞 石飛仁
風太郎小説「くの一忍法」にみる観音崇拝教 菅野妙子
一九八〇年代は米ソ心霊戦争の幕開き 近藤純夫
東学 荒俣宏
日本の中のもう一つのシャーマニズム 松下隆洪
宗教的蜂起の練習課題 梅原正紀
声の密戯 鎌田東二
鞍馬寺魔王尊とクマーラ神の伝来 長谷川明
伝染するメディアとしての宗教 大須賀勇
宗教からの逃走 森冬樹
日本のシャーマンのコピー的才能 草森紳一
葬霊と墓標のスタイル 平岡正明
高級最前線4 局部と洗浄 上杉清文
涅槃 高級藝術協會・篇
沖雅也に捧げる歌 上杉清文
軀だけは大事にして下さい ミッシェル・フーコー VS 林家三平
沖雅也に捧げるエロチシズム 松田修
東京脱涅槃建築ツアー 松山巌 撮影=広瀬一美
本国寺の涅槃
高級藝術漫画[涅槃城の花嫁] 泉清文
韓国ソウル・ニューウェーブ
丁允姫への手紙 四方田犬彦
河内音頭と朝鮮半島をつなぐ昆虫の抜けガラのような道 朝倉喬司
韓国芸能の自由なる始源のマダン 瓜生良介
ソウル・メモリー 荒木経惟
「灰の底」がもんだいだ 関川夏央
韓国文化の基底 金容権
荒木経惟の恥部屋対談4都市の博物館[パリ]から写真の現場[東京]へ ゲスト・石内都
福沢諭吉 法螺をふく沢、嘘をいふ吉 草森紳一
ハエ・ハエ・蚊・蚊・蚊 合田佐和子
写真の語るもの 幕間芸術の象徴権力4 ミッシェル・フーコーの死から写真の権力論へ 山本哲士
犯罪都市3 藤村美葉恋人殺人事件 朝倉喬司・浜田蜂朗
温泉めぐり湯の町エレジー 池内紀
「大衆切腹論」始末記 伊達政保
表紙:細野晴臣 撮影・桑本正士
編集:浜田蜂朗、山門恭彦、鈴木裕子、末井昭
本文レイアウト:塩月俊明
表紙・目次構成:坂本茂樹
出版社 publlisher:白夜書房/Byakuya Shobo
刊行年 year:1984
ページ数 pages:147
サイズ size:H257×W184mm
フォーマット format:ソフトカバー/softcover
言語 language:和文/Japanese
付属品 attachment:
状態 condition:経年並みです。/good.