Your Portrait: A Tetsumi Kudo Retrospective
あなたの肖像 工藤哲巳 回顧展

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工藤哲巳(1935-1990)は、大阪に生まれ、少年期を父の出身地青森で暮らし、1945年に父・工藤正義が早世した後、母の郷里岡山で高校までを過ごす。東京藝術大学在学中から、戦後の前衛美術の牙城であった読売アンデパンダン展に出品し、篠原有司男や荒川修作(1936-2010)らとともに「反芸術」世代の代表格となるが、1962年に国際青年美術家展での大賞受賞を機に、渡仏する。その後、約20年、パリを拠点に、ヨーロッパを活動の場として、文明批評的な視点と科学的な思考とを結びつけた独自の世界を展開した。1980年代に入りたびたび帰国し、講演、シンポジウム、パフォーマンスを行うかたわら、「天皇制の構造」や「色紙」の連作を発表し、日本の社会構造を根幹から見つめなおす作品を展開する。1987年には母校の東京藝術大学の教授に就任するが、1990年に55歳の若さで亡くなる。
本書は2013年から2014年にかけて国立国際美術館(大阪)→東京国立近代美術館→青森県立美術館を巡回した回顧展の図録。初期の絵画からオブジェ、デッサン、1960年代半ばの作品群、さらにハプニングやパフォーマンスの記録写真など関連資料を盛り込んだ内容。工藤哲巳30年余りにわたる包括的な活動の記録。

目次
ごあいさつ
「工藤哲巳入門」 島敦彦
1956-1962「反芸術」から「インポ哲学」まで
1962-1969「あなたの肖像」から「放射能による養殖」まで
1969-1970 一時帰国、<脱皮の記念碑>の制作
1970-1975「イヨネスコの肖像」から「環境汚染ー養殖ー新しいエコロジー」まで
1975-1979「危機の中の芸術家の肖像」から「遺伝染色体の雨の中で啓示を待つ」まで
1980-1990「パラダイス」から「天皇制の構造」、そして「前衛芸術家の魂」まで
[工藤哲巳の言葉]
 「『芸術であること』を必要としない作品」
 「人間不信→存在確認のために」
 「インスタント・スパーム」
 「箱」
 「親愛なるビーレン氏へ(親愛なるヨーロッパ人へ)」
 「アイロンをかけられたペニス」
 「環境汚染ー養殖ー新しいエコロジー」
 「工藤との対話」
 「鳥籠とコンピュータ・ペインティングの狭間で」
 「マシーンの概要」
 「とりカゴについて」
 「精神的還暦を迎えて」
 「天皇制の構造について(分子構造模型による研究)」
「工藤哲巳の宇宙論」中井康之
「工藤哲巳の政治性」福元崇志
「箱があなたに贈られるときー工藤哲巳の展開を探る。1962年、パリ」桝田倫広
「工藤哲巳、芸術としての力への意志」飯田高誉
「工藤哲巳と津軽」池田亨
出品作品一覧
略年譜、展覧会歴、文献
工藤哲巳制作ノート
工藤哲巳作品総目録 1955-1988

デザイン:西岡勉

出版社 publisher:国立国際美術館/The National Museum of Art,Osaka
刊行年 year:2013
ページ数 pages:625
サイズ size:H260×W186mm
フォーマット format:ソフトカバー/softcover
言語 language:和文/英文-Japanese/English
付属品 attachment:
状態 condition:経年並みです。/good.
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