絵画の準備を! READY FOR PAINTING 松浦寿夫 岡崎乾二郎

本書は、2002年、セゾン現代美術館セゾンアートプログラムから、機関誌『セゾンアートプログラム・ジャーナル SAP JOURNAL』の別冊として刊行されたものをもとに、改訂を施し増補したものです。新たな対談を加え(第9章)、既刊部分に関して著者による改訂、注釈を加え、図版の再検討を行っています。

1 純粋視覚の不可能性
純粋視覚の不可能性ーミニマル・アートとレディメイド
無防備さーレアリスム
欲望の断絶ーマネ<バルコニー>
対象に還元できない視覚像ー印象派
パッション=受苦
宮沢賢治「デクノボー」と「白象」
アノニマス
プリミティヴの実体化
受苦を背負う作品
道徳からの切断
○一九九四年十二月六日 山の上ホテル(東京・お茶の水)にて
2 代行性の零度
代行性の零度ーデヴィッド・ワトキンの三つの公準からトロツキーへ
欠如としての象徴形式ー中世からルネサンスへの空間の変容
想起の要請ールネサンス
パラディグマティックな空間
現在=遅れの発見
現代絵画の平板化ーティツィアーノ<田園の奏楽>
現在性への幻想ーミニマリズム
○一九九五年二月二十一日 山の上ホテル(東京・お茶の水)にて
3 無関係性
抽象表現主義の受容
リベラリズム
上手い/下手
無関係性
未来の人間
○一九九五年八月二十二日 岡崎乾二郎仕事場(東京・練馬)にて
4 「国民絵画」としての日本画
「国民絵画」としての日本画
変換可能な主題と形式
記憶の古層への回帰
ローカル・カラーとはなにか
個別な感情の吸収装置
ポピュリズムとシュルレアリスムの通底
小さなサブライム
ジャンル・国家間の差異の解消
○『武蔵野美術 No.99』(一九九六年一月十六日発行)より再録
5 平面性の謎
平面性の謎
視覚性の謎
印象主義
モネと本居宣長
モネに抵抗する
疑惑と戸惑い
○一九九九年七月二十六日 備前珈琲店(東京・恵比寿)にて
6 誰がセザンヌを必要としているか(1)
セザンヌの徴候ー二十世紀におけるその位置づけ
セザンヌの歪み
触覚値
セザンヌの美術史理解
正当性の原理
○二〇〇〇年七月二十一日 東京ウィメンズプラザ(東京・表参道)にて
○セゾンアートプログラム・クリティカル・ワークショップ<1>
「誰がセザンヌを必要としているかーセザンヌと哲学者たち」第一回
7 誰がセザンヌを必要としているか(2)
イメージとしての視覚現象
絵画の約束論争
ロザリンド・クラウス『ピカソ論』
モダニズムの視覚性
マトリクス
形象性
ヴェドゥーダー中景の論理
アブソープションとシアトリカリティ
○二〇〇〇年七月二十八日 東京ウィメンズプラザ(東京・表参道)にて
○セゾンアートプログラム・クリティカル・ワークショップ<1>
「誰がセザンヌを必要としているかーセザンヌと哲学者たち」第五回
8 モダニズムの歴史という語義矛盾
リヴィジョニズム
モダニズムとフォーマリズム
規定的判断力と反省的判断力
領土ー一歩手前をいかに確保するか
呪術と技術
資材性ーブリコラージュ
月の住民
○二〇〇一年二月九日 東京ウィメンズプラザ(東京・表参道)にて
○セゾンアートプログラム・クリティカル・ワークショップ<3>
「なぜ形式が歴史を要求するのかー「モダニズムの歴史」という語義矛盾をめぐって」第一回
9 メディウムと抵抗
自然法ーベンヤミンの神的暴力
非同期性
表象=代行性
時間的orderの解体
メディウム・スペシフィックージョン・ケージ
ジャンルの分別ーレッシング『ラオコーン』
現在性ーイタリア未来派
ユビキタス=同時偏在性
抽象からはじまる
後期印象派問題
記述/ナレーションー谷川俊太郎『定義』
絵画における空間と時間
スケールの独自性
○二〇〇四年三月十五日 四谷アート・ステュディウム(東京・四谷)にて
旧版のあとがき
増補改訂版のあとがき
文献リスト
図版出典
人名索引
事項索引

装幀=岡崎乾二郎+エンガワ

出版社 publisher:朝日出版者/Asahi press
刊行年 year:2006
ページ数 pages:431
サイズ size:A5
フォーマット format:ソフトカバー/softcover
言語 language:和文/Japanese
付属品 attachment:カバー、帯/dust jacket, wraparound band.
状態 condition:経年並みです/good
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